日記

自分の気持ちを表現する言葉がない

わたしは今落ち込んでいる。調子が出ないとか、いつもの自分ではない気がするとか、そういう感じだろうか。

深い水の中をゆっくり泳いでいるという感じ。ゆっくり泳いでいるので、決して溺れているわけではない。

溺れているときというのは、もうベッドから出てこられなくなって、家族と普通に会話することもできなくなってしまう。

人には誰しも「落ち込んでいるとき」があると思う。

でも、その落ち込んでいる様子って、なかなか見られないものだと思う。

落ち込んでいるときは一人になろうとする人が多い。よっぽど関係性が近しくないと、落ち込んでいる姿なんて見せられない。親しい人にだって、見せない人もいる。

どんなことを感じているか、世の中がどんな風に見えているかなども、人にはわからない。

だから、どういう状態を「落ち込んでいる」と呼ぶのか

どういう状態を「気分が塞ぎ込んでいる」と呼ぶのか

そういう部分でモヤモヤしてしまう。

「落ち込んでいる」と「うつ状態」はわたしのなかで別物

わたしには「落ち込んでいる状態」と「うつ状態」の2つが明確に区切られている。

うつ状態のときは、体を起こしていることができない。這うようにして最低限の仕事や家事をするが、その他の時間はずっと寝ている。わけもなく涙が出て、消えてしまいたいと思う。これはうつ状態だと思う。

一方、普段通りの生活ができるけれど、気持ちがズーンと下がっているとき。これは「落ち込んでいる状態」だ。恥ずかしながら、この違いに今日、気づいた。

いまわたしは、落ち込んでいる状態だ。

うつ状態のときは、まるで台風のようだ。感情や思考が豪雨や強風のように荒れ狂いながら押し寄せてきて、わたしを潰していく。右も左も、東も西もわからなくて、前が見えない。しかし、この台風が過ぎ去ってしまえば何のことはない。(これはうつのメルトダウンであると考えている)

一方、落ち込んでいる状態では、深い海の中をゆっくりゆっくり泳いでいるという感じがする。

ちゃんと周囲が見渡せて、周りに泳いでいる魚たちや景色の存在も把握できる。でも、ゆっくりゆっくりでしか動けない。感情の動きもゆっくりで、めずらしい魚が通っても、びっくりするような景色を見ても、感情が揺れにくい。とにかく、静かにゆっくり、くらい海の中を進んでいくことしかできないという感じがする。

これがいわゆる「落ち込んでいる」という状態なんだと思う。

憂鬱・気分がふさぐ・気が滅入る

今の状態は「憂鬱」という言葉のニュアンスともまた違った感じがする。

憂鬱とは「うっとうしくて気持が晴々しないこと。気がふさぐこと」とある。わたしはこの「気持ちがふざぐ」という単語に引っかかる。

わたしの気持ちは、ふさがっていない。確かに流れは速くないけど、チョロチョロと循環しているような感じはある。完全に詰まっているとは思えない。

だから、気分がふさぐとか、ふさぎ込んでいるとかではない。

気が滅入る、はどうだろうか?

元気がなくなり、暗い気持ちになるとか、深く入り込む。めり込む。などの意味があるようだ。

ここまで調べていくと「まぁ、そういうことなのかな」と納得せざるを得ないような気になってくる。

自分の気持ちを表現する言葉

わたしは言葉の理解と、内面のイメージが一致しにくいのかもしれない。

自分の気持ちを表現する言葉って、たくさんある。嬉しい・楽しい・悔しい・寂しい・悲しい・むかつく。

でも、その時の自分の内面的イメージを表現する言葉が、すぐに浮かばないことが多い。たとえば「疲れているのか」と聞かれても、それが「疲れている」という言葉のイメージにぴったりと当てはまらないと「いや、違うと思う」という風に考えてしまう。

「何か落ち込んでいるの?」と聞かれても、今のように海の底でゆっくり泳いでいるようなイメージと、落ち込んでいるという言葉自分の中で一致しないと「ちがう」と答えてしまうのかもしれない。

だから、自分の気持ちや、自分の状況を人に伝えることが難しいのかもしれない。

自分の気持ちを表現する言葉が、この世の中には少ない。だから、こうして言葉が多くなって、説明が理屈っぽくなってしまうのだろう。

わたしは今、深い海の中をゆっくりゆっくり泳いでいる。地上からの声が届きにくくて、地上の様子もよくわからない。でも、なぜか居心地は悪くないし、嵐も起こっていない。

今の気持ちはそんな感じ。

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