わたしのことをよく気にかけてくれて、面倒見がよくて、褒めてくれたり向こうから連絡をくれたりする友人がいた。
その人のことが、なんだか急に嫌になってしまった。その人は、わたしと同じ年齢。ふだん対面で接することはなくて、SNSでときどきリプライをするだけという間柄。
以前、イベントで一度会ったことがあるが、住んでいる地域が遠いこともあってリアルで合う機会はない。
いや、おそらく急に嫌になったわけではないし、「嫌い」というほどではない。
「めんどくさい」が、いちばん近い感覚だろうか。
きかっけは、わたしのちょっとした、どうでもいい発言に共感してくれたことだった。
相手が共感的なリプライをしてくれて、わたしは本当に何気なく、なんの考えもなしに返信をした。
その返信が「あはは!(笑)あなたのそういうお茶目なところほんと好き!」というコメントだった。
なんだか……理由はわからないが……すごくめんどくさいと思った。
自分の中にない返しを、考えなければいけなかった。
なんと返せばいいのかわからなくて、すごく、強く、めんどくさくなった。
好きだなんて言ってもらいながら、わたしはハートマークだけをつけてスルーしてしまった。
何が、嫌だったんだろう。
褒められているし、一見他愛もない、喜ばしい言葉ではないか。
お茶目っていう言葉が嫌だったのかな。好きなどといわれて、照れてしまったのかな。
言葉の意味も調べて、考えた。
いろいろ考えてみたんだけど、結論としては
相手のほうが先に「なんと返せばいいかわからず、無理やり終わらせた」からじゃないかなと思った。
たしかに、わたしはちょっとふざけて返したんだと思う。というか、わたしは常にちょっとふざけているというか、会話の要所要所にエンタメ性を入れたくなる節がある。
でも、相手はそうじゃないんだと思う。わたしの笑いのポイントが、わからなかった。
それ以前に、そもそも感覚がまったく違うタイプだったんだろうと思う。
その瞬間にそれがはっきりしてしまったというか、ごまかしてまで会話したいと思えなくなったんだろうな。
相手に合わせたくなかったんだ。
「あ、もう合わせるの無理だ」と悟ったとたん、それまで感じてきた違和感がすごく強くなっていく。
今回のその相手とは、普段SNSでしか関わらない。でも、ときどきオンラインでビデオ通話をしようと誘ってもらうので、何か月かに一度ゆっくり会話したりもしていた。
近くに遊びに来る予定があるときは、時間があったら会いたいと誘ってくれた。
なにかと気にかけてくれている。
わたしは基本的に、自分からは誰も誘わないので、人間関係はいつもそうなんだけど。
何しろ明るい陽の雰囲気を身にまとっている、とても、いい人なのだ。
でも、なにか違和感が残る。
生活環境が違うというのは大きい。わたしは既婚の母親で、相手は独身。そういう属性的な違いは確かにある。
しかし、わたしの15年来の友人も独身なので、それは関係なさそうだ。
あぁ、こうして、改めてよくよく考えていくと、
ずっと前から嫌悪感にも似たものを持っていたことに気づいていく。
ネット上のリプライで友人と深い話を延々とやりとりしたり、フォロワーと食事をしたことをメンションをつけて写真付きでツイートしていたり、ポジティブシンキング推しなところだったり、セルフプロデュース感が強かったり。
つまり、わたしがやらないことをガンガンやるタイプの人だった。
これは、嫉妬なのだろうかとも考えてしまう。
人は、自分がやりたくてもできないこと、抑圧していることを実現している人を見ると、うらやましくなったり、見下してマウントをとりたくなったりするとか。
本当は、そっちなのかな?と一度疑ってみるが、それもやっぱり違う。
わたしはそれが「嫌」なんだ。
特定の人と深い話をしているのはできるだけ見られたくない。もしSNS上でわたしが深い話をしていたとしたら、ある程度演じている。
誰に会ったかなんて、不特定多数の人に言いたくない。その人と大事な時間を過ごしたと思えば思うほど、人目にさらしたくない。大事なものは引き出しにしまっておきたい。
自分のキラキラしたところを、あえてアピールするのがダサいと思っている。
全部、真逆だったんだ。無理なタイプなのだ。
それをわたしは「合わせているつもり」だった。
しかし相手はどうだろう。もしかしたら向こうもわたしのこと、めんどくさいと思っているんじゃないかと思う。義務感で付き合っているんじゃないかなって。
「誘ってあげたほうがいいかな」とか「今は声かけないほうがいいのかな」「反応してあげようかな」とか、すごく気を使っているかもしれない。
現に、よくわからない笑いのセンスにも、一応言葉を返してくれたわけだから。
でも、わたしはその「一応返す」とか「適当にやり過ごす」のにもう疲れたんだよなぁ。
だって、合わないし理解できないから。
でもね、客観的にみて、感じが悪いのはわたしのほうだと思う。
いつも褒めてくれて、好き好き!って言ってくれて、構ってくれるのに、わたしはそれがめんどくさいんだからさ。
わたしのような人間には「一見すごくいい人」は要注意なのはもう、何年も前からわかっていたことなんだけど、まだまだそういうごまかしながら付き合っている人間関係というのは眠っているもんだなと思った。
嫌いとまでは言わない、と書いたけれど、正直に言えば嫌いなタイプだったのかもしれないな。
初めまして。冬香と申します。私もASDと注意欠如があります。
いきなりこんな事を聞くのは失礼かもしれませんが、発達障害の人で、ライター業に就いている人が多いですが、どうやったらそういう仕事に就けるのですか?私は一般企業で、事務のパートを15年近くしていますが、経済的理由で渋々続けてきました。いつまでこんな事を続けるのかと、酷く虚しくなります。
本当にこんな事を聞いて、すみません。人付き合いが苦手で、相談相手もいないので、偶然見つけたアスピーさんを頼ってしまいました。
冬香さんへ
メールで回答いたしました。
よろしくお願いいたします。